【大阪万博総括】なんだかんだ言っても、ミャクミャクは勝った

開幕前はボロクソ、閉幕したら拍手喝采


正直、最初は批判ばかりだった。
建設の遅れ、費用の膨張、入場者数の不安──。
「ほんとに開催できるのか」と半ばあきれ気味の声も多かった。

でも、終わってみればどうだろう。
来場者は2,600万人を超え、想定を上回る勢い。
あれほど「気持ち悪い」と言われていたミャクミャクは、
今やお尻のグッズまで売り切れ続出の人気者だ。

SNSでは“お尻ポーズ”まで流行り、子どもたちも夢中。
あの独特なビジュアルを笑いに変え、愛されキャラにしてしまうあたり、
やっぱり大阪の底力やね。
批判すらネタにしてしまう、このポジティブ転換力。

結果オーライ。やっぱり大阪でやって正解だった


結局のところ、地元・関西のエネルギーが支えた。
「文句を言いながらも行く」「行ったら楽しむ」「楽しかったらまた行く」。
この流れが生まれて、リピーター率は想定を大きく超えた。

街の雰囲気も明るくなった。
心斎橋でも梅田でも、会話の端々に“万博行った?”が混じる。
「なんや知らんけど、ええ感じやな」──この空気が大阪の武器だった。

成功のカギは“勢いと人懐っこさ”


大阪は、東京のような洗練よりも“勢い”と“親しみ”で勝負した。
テーマが少し抽象的でも、パビリオンの多くは
それを「難しくなく、おもしろく見せる」方向に工夫していた。

“ほな、見てみよか”と気軽に立ち寄れる空気。
それが、最後に功を奏したのだと思う。

ミャクミャク現象──気持ち悪いは正義だった


最初こそ「なんやこのキャラ」だったのに、
気づけば誰もが口にし、写真を撮り、笑顔で帰る。

ミャクミャクは、気持ち悪さを笑い飛ばす関西の感性そのものだ。
たこ焼きもお好み焼きも、冷静に考えたら見た目は地味で奇妙。
でも、それを「うまいやろ?」で全国区にしたのが大阪。
ミャクミャクも、同じDNAを持っている。

そうは言っても、課題は残る


楽しかったのは間違いない。
ただ、閉幕後には新しい課題が待っている。

跡地・夢洲の再開発、交通アクセス、環境維持。
いずれも「地味でお金がかかる話」だ。
“終わってからが本番”というのは、大阪イベントの宿命でもある。

それでも、たぶん関西人はこう言うだろう。
「ま、なんとかなるやろ」。
ノリと知恵で乗り切ってきたのが大阪。
きっとまた、次の笑い話に変えてしまうに違いない。

コヨーテの締めくくり


結局のところ、大阪万博は“笑って終われた”だけで大成功だと思う。
笑いと活気に包まれた万博なんて、他にあっただろうか。

大切なのは、この“陽気なバイアス”をどう次につなげるか。
夢洲が次の大阪の顔になるか、
それともミャクミャクの幻で終わるか。

まあ、それも含めて──
大阪らしい、ええ物語やと思う。

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