コヨーテにとって、この日は特別だ。
いまの自分の細胞を形づくる源をたどっていけば、半分はジョン・レノンで、もう半分はポール・マッカートニー。ちょっと大袈裟とも思うけれど、同じ気持ちの人はきっと世界中にいるはずだ。
だから毎年12月8日は、静かに過ごす。
騒ぎ立てるのではなく、どこか心の奥の灯りをそっと手で囲って守るような時間になる。
そんな日に、あえてソロ曲中心で選んだ
コヨーテ流「静かに沁みるベスト5」
1位 「John Lennon/Plastic Ono Band」
ジョン自身の心の奥底を、包み隠さず、むき出しで世に出した作品。
「捨て曲なし」という言葉は軽いけれど、このアルバムについてだけは使っていいと思う。
弱さも怒りも願いも、そのまま音になって飛び込んでくる。真正面から受け止めると、少し息が苦しくなるほど。
2位 「Double Fantasy」
ジョンの曲に限っていえば、こちらも「捨て曲なし」。
“Starting Over” の新しい門出の予感、“Watching the Wheels” の達観した静けさ、“Woman” のまっすぐすぎる優しさ。
このアルバムが発売された直後に彼が去った事実は、いまも胸のどこかを締め付ける。でも、音は前を向いたまま残っている。
3位 「Imagine」
世界中で最も有名な「愛と平和のジョン」だけで語られがちな一枚。
でもコヨーテはあえてそこではなく、「Gimme Some Truth」や「How Do You Sleep?」のあの刺のある表現に惹かれる。
理想だけでなく、苛立ちや葛藤までも音にして「これも人間だ」と言っているようで、そこがたまらない。
4位 「Walls and Bridges」
#9 Dream──あの曲はジョンにしか書けない。
夢と現実のあいだをふわっと漂うような浮遊感。
メロディーが柔らかく包み込んでくるのに、どこか孤独もにじむ。
アルバム全体が少し曇った午後みたいで、12月8日に聴くと妙にしっくりくる。
5位 「Rock ’n’ Roll」
とにかく「Stand by Me」。
あれは涙なしでは聴けない。
ジョンの声が「大丈夫だよ」と肩を抱くようでもあり、「もう無理だ」と膝に落ち込んでいるようでもある。
どっちの感情で聴いても成立するのが、彼のすごさ。
12月8日の静けさの中で
ジョンが残していったメッセージは、決して大げさな理想論だけじゃない。
弱さ、怒り、優しさ、迷い──その全部をさらけ出してきたからこそ、多くの人がいまも彼に寄りかかる。
コヨーテもこの日だけは、いつもより少しだけ静かになって、ジョンの声をひとつずつ確かめる。
そして毎年思う。「やっぱり、自分の半分はこの人だ」と。

