
1月29日は、**ロディ・フレイム**の誕生日。
80年代ネオアコの中心にいながら、常に一歩先を行っていた人だ。
「アズテック・カメラ」は、
「悩む → 走る → 洗練される → 迷い直す → そして静かに成熟する」
そんな時間の流れを、アルバムごとに刻んできた。
High Land, Hard Rain(1983)
・Oblivious
17歳のロディが世界に放った最初の一撃。
軽快なギター、跳ねるリズム、でも歌詞は落ち着かない。
Obliviousは、
爽やかさの裏にある焦りや不安が丸見えで、だからこそ刺さる。
ネオアコ=甘い、という誤解を生んだ張本人でもあり、
同時にその限界を最初から超えていたアルバム。
Knife(1984)
・Still on Fire
デビュー作の逡巡を振り切って、前へ前へと進む2枚目。
音が太くなり、テンションが一気に上がる。
Still on Fireは、
青春の万能感と焦燥感が同時に鳴っている名曲。
悩んでいるけど止まらない。
この頃のロディは、まさに「今」を生きている。
Love(1987)
・Somewhere in My Heart
ここでロディは一気に洗練される。
音も、佇まいも、完全に大人の顔。
Somewhere in My Heartは代表曲だけど、
甘さ一辺倒にならないのがロディらしい。
感情をむき出しにしない代わりに、
構築されたポップスで語る──
青春を卒業した人間の音楽。
Stray(1990)
・Stray
4枚目にして、再び「悩み」に戻ってくるのが面白い。
成功も経験も手に入れたあとで、
「さて、この先どうする?」と立ち止まる感じ。
タイトル曲 Stray は、その象徴だ。
派手さはない。答えも出ない。
でも、だからこそリアル。
若い頃の不安とは違う、
大人になってからの迷いが、静かに滲む名曲。
Dreamland(1993)
Spanish Horses
ここでロディは、完全に次のフェーズへ進む。
ネオアコでも、ギターポップでもない。
より内省的で、よりフォーキーで、音数は少ない。
Spanish Horsesは、このアルバムの空気を完璧に表している。
広がる風景、抑えた感情、余白の美しさ。
もう若さにしがみつく必要もないし、
無理に大人ぶる必要もない。
成熟したソングライターの静かな自信がある。
ロディ・フレイムの現在地
その後ロディは、ソロ名義で活動を続けている。
派手な話題はない。
でも、音楽はずっと誠実だ。
年を重ねることを隠さず、
その時その時の「現在地」を、無理なく歌ってきた。
ネオアコを聴きたければ、この人。
でも本当は、
人生の途中で何度も聴き直す人なんだと思う。
