年末に「第九」が鳴り響く理由──知らないふりして、実はみんな知らない話

年末の風物詩と言えば「ガキ使…」はもう無いので「紅白」、「クリスマスの約束」も無いので「第九」。
クラシックに詳しくなくても、あの「歓喜の歌」が鳴り出すと「あぁ、年の瀬か…」と条件反射でセンチメンタルになる。

で、なぜ日本だけ年末に「第九」なのか。
ドイツ人に聞くと「え?なんで?」と逆に質問されるらしい。

コヨーテは知らなかったのでChatGPTに聞いてみました。

1. 「年末=第九」になった理由

● きっかけは戦時中の「動員コンサート」

第一次大戦中、日本はドイツ人捕虜を各地で収容していた。
徳島の板東俘虜収容所で、ドイツ兵たちが自発的に第九を演奏したのが日本での始まり。

ここから変な伝統が育つのが日本らしいところで――
戦中・戦後すぐの混乱期、「第九」は政府・新聞社・企業にとって、「大人数を動員しやすい“国民的イベント素材”」になった。

● 経済成長 → 「年末=ボーナス → 大ホールが埋まる」

1960年代、高度経済成長。
12月は企業のボーナスが出る時期、皆テンション高め。
→ 大規模コンサートが売れる
→ 「じゃあ合唱200人でド派手にいくか」
→ その象徴が「第九」

● コロス文化×日本人の国民性

日本人って、合唱や集団のハーモニーに異様に向いている。
学校行事も地域行事も「みんなでひとつになろう」文化。
その究極系がベートーヴェンの第九=人類全員で歌う大合唱。

年末に自分の一年を振り返る、ぐっとくる季節とハマったんだと思う。

つまり理由を一言でまとめると──
「歴史の偶然+大人数動員の都合+日本人の合唱好き」
これが化学反応を起こして、今の「年末=第九」になったわけ。

2. 「第九」はなぜ画期的だったのか──ベートーヴェンの狂気と革命


第九は1824年、作曲者54歳のとき完成。
耳は完全に聞こえず、精神状態もギリギリ。

そんな状況で、ベートーヴェンは前代未聞のことをやらかした。

● 交響曲に歌をぶちこむという暴挙

それまで交響曲は「器楽のみ」だった。
そこに突然、人間の声をぶち込んでしまう。

指揮者たちも当時は「は?これは反則だろ」という空気だったらしい。
ベートーヴェンはお構いなし。

● 全人類を巻き込むメッセージ性

「歓喜の歌」はシラーの詩。
内容は「国境や宗教を超えて、人類は皆兄弟だ!」という超普遍テーマ。

国家や民族が対立している時代に、ここまで普遍的で強烈なメッセージを入れた交響曲は異例だった。

● とにかく規模がデカい

オケは巨大、合唱もソリストも必要。
楽譜を見ただけで演奏団体はめまいがするレベル。

でも、この「やりすぎ」こそが第九の魅力。
年末、少し気持ちがゆるむ季節に合うのは、こういう“人類愛の大風呂敷”なんだと思う。

3. 合唱はなぜ気持ちいい?──オキシトシンの魔法

合唱には脳科学的にも明確な効果がある。

● 呼吸が揃う → 安心ホルモン「オキシトシン」分泌

人と同時に深い呼吸をするだけで、人間は落ち着く。
そこに音楽が乗ると、さらにオキシトシンが出て幸福感・連帯感が増す。

● 声を出す → ストレスホルモンが減る

歌うと脳内のコルチゾール(ストレス物質)が下がる。
しかも第九は「歓喜の歌」なので、自然とテンションも上がる。

つまり、
歌う側も聴く側も“幸せ回路”が動き出す作品
なんだよね。

年末に人がこれだけ集まるイベント、他にない。

4. コヨーテが選ぶ 第九・名盤ベスト5

● カラヤン(1962 / ベルリン・フィル)

テンポよし、音の美しさ抜群。
カラヤン黄金期の「完成形」。初めての第九にも最適。

● フルトヴェングラー(1951 / バイロイト)

これはもう宗教。
テンポは縦横無尽、スケールは異常。
「人類史上の第九」と呼ばれる名盤。

● ベーム(1980 / ウィーン・フィル)

豊穣で温かい。
ウィーンらしい「柔らかい音」に包まれる感じが良い。

● アバド(2000 / ベルリン・フィル)

軽やかで現代的。「暗すぎない第九」。
透明感とエネルギーの両立が素晴らしい。

● ノリントン(1991 / ロンドン・クラシカル)

ピリオド系の名盤。
速い、軽い、鋭い。
「第九ってこんなにスリムなの?」という驚きがある。

5. まとめ:日本の年末に「第九」が必要な理由

年末はどうしても感傷的になる。
1年頑張ったご褒美に、こういう「人類全員で希望を叫ぶ曲」が必要なのだと思う。

オキシトシンも出るし、来年の活力にもなる。
伝統に理由を求めるより、
「気持ちいいから続いてる」
これがいちばんシンプルで正直な答えかもしれない。

今年も第九が始まる。来週地元の合唱を聴きに行ってみよう。

市制施行70周年記念 東京2025デフリンピック応援チャリティーイベント「第九スペシャルコンサート」
調布市制施行70周年記念・東京2025デフリンピック応援チャリティ 「第九スペシャルコンサート」