音楽は色褪せない──大晦日に大瀧詠一を聴く

年末になると、ふと大瀧詠一を聴き返したくなる。
理由は単純で、彼の音楽は「季節」を連れてくるからだ。夏の風、冬の乾いた空気、正月前の少し浮ついた感じまで、全部パッケージされている。

コヨーテが最初に出会ったのは A LONG VACATION。
正直に言う。捨て曲なし。お化けアルバム。
これ1枚で一生語れるやつだ。

そこから
NIAGARA TRIANGLE Vol.2 → ナイアガラ沼にずぶずぶ → そして はっぴいえんど に遡行。
「入口はポップ、出口は日本語ロックの原風景」。だいたいみんなこのルートだと思う。

オタク度満開・大瀧詠一エピソード

大瀧詠一が厄介で、同時に最高なのは
音楽そのものと同じ熱量で“語り”をやってしまう人だったこと。

・レコード番号
・ミックス違い
・シングル盤とアルバム盤の差
・60年代アメリカン・ポップスへの偏愛
・ラジオで延々と続く注釈地獄

普通なら「うるさい」で終わる。でも不思議と耳を離せない。
なぜなら、そこに音楽少年の純度100%の愛があったから。

そして忘れられないのが
山下達郎との「新春放談」。

年明け、こたつにみかん、ラジオから流れる二人のマニアックな音楽談義。
「あ、今年も始まったな」と思わせてくれる恒例行事だった。

だからこそ、
その放談を楽しみにしていた矢先の訃報は、正直きつかった。
年末に置いていくなよ、って思った。

コヨーテが選ぶ 大瀧詠一 ベスト5

5位 君は天然色


有名すぎる? でも外せない。
色褪せないどころか、年を取るほど鮮やかになる不思議な曲。

4位 恋するカレン


完璧なポップスの教科書。
無駄が一切ない。職人芸という言葉が軽く聞こえるレベル。

3位 さらばシベリア鉄道


大瀧詠一の「翳り」の部分が一番好きな形で出ている。
明るいのに、どこか寒い。これが大瀧。

2位 幸せな結末


後期大瀧の代表曲。
円熟ってこういうことだよ、という見本みたいな1曲。

1位 A面で恋をして


これ。
コヨーテにとっては「ポップ全開、文句なし」

大瀧詠一という人


大瀧詠一は
「国民的ヒットメーカー」であり
「誰よりも厄介な音楽オタク」でもあった。

でも、その両立こそが奇跡だったと思う。
好きなものを好きなだけ掘り下げて、
それをちゃんとポップスとして世に出してしまった。

だから今聴いても古くならない。
エバーグリーン、という言葉が一番似合う。



今年も音楽と一緒に一年を走り切れました。
レコードを聴いて、酒を飲んで、文章を書いて。
それだけで十分、いい年だったと思います。

また来年も
少しだけ季節に遅れながら、
マイペースで続けていきましょう。

では皆さん、よいお年を。