10/31はジョニー・マーの誕生日──スミスを超えて響くギターの詩情


こんにちは、コヨーテです。
10月31日は、ザ・スミスのギタリスト、**ジョニー・マー(Johnny Marr)**の誕生日。
1980年代、彼とモリッシーが生み出した音楽は、UKロックのひとつの頂点を築きました。

スミスはたった4枚のオリジナル・アルバムしか残していませんが、その影響は今なお絶大。
マーのギターは、ただの伴奏ではなく、“もうひとつのメロディ”として機能していました。
モリッシーの憂鬱で鋭いボーカルに、マーのリフが絡むとき、そこには奇跡のような緊張感が生まれるのです。

スミス時代の「マー節」炸裂の名曲たち

1. This Charming Man(1983)

イントロからキラキラと輝くアルペジオ。
マーのリッケンバッカーが刻むフレーズは、80年代UKギター・ポップの原点とも言えます。
わずか2分43秒の中に、洗練と疾走感、そして哀愁がすべて詰まっている。

2. How Soon Is Now?(1984)

ギターのトレモロが波のように押し寄せる、異様な存在感を放つ一曲。
マー自身が「ブルースのような曲を作りたかった」と語った通り、スミスの中では異色。
陰鬱なモリッシーの声とサイケデリックなギターの共演は、もはや宗教的な域。

3. There Is A Light That Never Goes Out(1986)

“もしバスに轢かれて死ぬなら、君と一緒がいい”──という破滅的な詩と、美しい旋律。
マーの12弦ギターが放つ柔らかい光が、暗い詞を包み込む。
この曲が多くのリスナーの“永遠の灯”であり続ける理由です。

4. Bigmouth Strikes Again(1986)

スミスらしい疾走感と皮肉が凝縮された名曲。
マーのカッティングが軽やかでありながら緊張感を失わない。
一見ポップだが、どこか不穏。これぞスミス。

5. The Headmaster Ritual(1985)

教育制度への風刺を歌うモリッシーのボーカルを、変則チューニングのギターが支える。
マーのコード進行は複雑なのに自然で、まるで“流れる構築美”。
この時期のスミスは、まさに神がかっていました。

解散後も止まらない進化──モデスト・マウスと共に

Dashboard(Modest Mouse/2007)

90年代以降、マーはセッションマンとして多くのアーティストに参加しましたが、
モデスト・マウスの正式メンバーとなったこの時期は特に輝いています。
インディロックの混沌の中に、スミス譲りの美しいコードワーク。
ギターの一音一音が、空間を“染める”ように響く。

その後もマーはソロとして『The Messenger』(2013)など良作を発表。
今もなお、“ギターで語る詩人”として進化を続けています。

コヨーテのひとこと

スミスを聴くたびに思う。
モリッシーが**「言葉」なら、ジョニー・マーは「空気」**だったと。
彼が鳴らすギターは、歌の後ろに潜む“心のざわめき”を音にしていた。
それが80年代を超えて、今もなお僕らを惹きつける理由なのかもしれません

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