8月8日、アビー・ロードを渡る日

「8月8日は、ビートルズの『アビー・ロード』のジャケット写真が撮影された日」——このことを、Far East Beatles Expressさんのnoteで知りました。
ロンドン北西部、アビー・ロード・スタジオ前の横断歩道を4人が歩く、あの象徴的な一枚です。
撮影はわずか10分ほどで、カメラマンのイアン・マクミランがはしご車の上から6枚だけ撮影。その中の1枚が、世界で最も有名なジャケットとなりました。

アルバムは1969年9月26日に発売。
『レット・イット・ビー』より後に発表されましたが、録音は『アビー・ロード』のほうが先で、4人が揃って制作に臨んだ最後の作品です。
A面は個別色の強い楽曲、B面は曲がつながるメドレー構成。ジョージ・ハリスンの代表曲「Here Comes the Sun」や「Something」も収められています。

中学2年の私は、その頃すでにビートルズの虜。
毎晩寝る前にレコードプレーヤーに針を落とし、『ラバー・ソウル』から『レット・イット・ビー』までを順番に聴くのが日課でした。
中でも一番好きだったのが『アビー・ロード』。
夜、布団の中でA面を聴き始めると、最後に待っているのが「I Want You (She’s So Heavy)」。
あの延々と続くエンディングのリフに、半分眠りかけた頭が引き戻される。
やっと終わったらレコードを裏返し、B面1曲目の「Here Comes the Sun」でホッと一息。
そして安心した途端、スーッと眠りに落ちる——そんな夜を何度も繰り返しました。

あの横断歩道の写真を見るたび、音の記憶も一緒によみがえる。
ビートルズが歩いた道と、自分が夢の中で歩いた日々が、どこかでつながっているような気がします。

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