
9月25日は、レッド・ツェッペリン不滅のドラマー、ジョン・“ボンゾ”・ボーナムの命日(1948-1980)。
今なお彼のドラムは、ロック史における一つの頂点として輝き続けています。ここでは、彼の超絶技巧と圧倒的パワーが堪能できる7曲を、伝説的エピソードとともに紹介します。
1. Good Times Bad Times
ツェッペリンの始まりにして、ボンゾの伝説の始まり。
ワンバスで叩いているとは信じがたい三連バスドラ。デビューアルバムの1p曲目から「俺のドラムはこうだ!」と宣言しているような衝撃。
2. Rock and Roll
イントロ4小節、ドラムだけで観客を総立ちにさせる男。
シンプルな8ビートなのに、テンションはフルスロットル。ライブでジミー・ペイジが少し走っても、ボンゾが叩きつけるスネアで全員を元に戻す。まさに“人間メトロノーム”。
3. The Ocean
変拍子祭り。途中の7/8拍子ブレイクが超絶キレッキレ。
ライブではニヤリと笑いながら叩いていたという話も。観客の手拍子がズレて混乱する中、ボンゾだけが涼しい顔で走り抜ける。ドラムで観客を翻弄する男、カッコよすぎ。
4. Moby Dick
もはやボンゾの独壇場。20分超のドラムソロで会場を支配。
素手でスネアを叩き、観客がどよめく中、またスティックを手に取り加速する。暴走しているようで、最後はピタリとバンドに戻る。芸術と狂気の境界線。
5. When the Levee Breaks
階段ホールで録られた伝説のドラムサウンド。
バスドラ一発が地鳴りのように響く。ヒップホップからメタルまで、後世の音楽に最もサンプリングされたドラムと言われるのも納得。
6. Achilles Last Stand
体力と集中力の限界に挑む10分間。
叩き続ける右足、ほとんど休まないスネア、テンションが落ちないグルーヴ。ライブ後に楽屋で倒れたという逸話も納得。
7. Kashmir
神殿の儀式のような重厚なグルーヴ。
後半のシンコペーションはまるで地球の鼓動。ロバート・プラントが「バンドの推進力はボンゾだった」と語ったのも頷ける。
ボンゾが残したもの
酒好き、破天荒、豪快──そんなイメージが強いボンゾですが、
実はスタジオでは繊細な職人で、一音一音を完璧にコントロールしていたと言います。
彼の死とともにツェッペリンは解散を決めたのも当然。
「ボンゾなしのツェッペリンはありえない」というメンバーの言葉がすべてを物語っています。
コヨーテのひとこと
ボンゾのドラムはただの爆音じゃない。
音の隙間にまでリズムが宿っていて、聴けば聴くほど深みが出る。
9/25には、この7曲を爆音で聴いて、部屋でひとりスタンディングオベーションしたくなるんです

