「サナエノミクス」がいきなり迎えた試練──

加熱相場に突然の冷や水?


10月10日午後4時、公明党が正式に連立離脱を表明した。
理由は「政治とカネ」の問題。
まさか、こんなに早く波乱が来るとは思わなかった。

ほんの数日前まで、日経平均は最高値更新ラッシュ。
“サナエノミクス”という言葉に勢いが出始めていたところで、
冷水を浴びせられたような格好だ。

マーケットは、こういう「政治の不透明さ」を最も嫌う。
楽観ムードから一転、週明けは波乱のスタートになりそうだ。

公明党の離脱で、政権の足元が揺らぐ


自民党はいま196議席。
公明党の24議席が抜けたことで、単独では過半数割れとなった。

維新(35)と国民民主(27)の両方が連立に加われば過半数(258)を保てるが、
どちらか一党だけでは届かない。
• 自民+維新=231(あと2議席足りない)
• 自民+国民=223(さらに足りない)

しかも離脱の理由が「政治とカネ」だ。
維新や国民民主が、このタイミングでホイホイと連立入りするとは考えにくい。

結果として、政権の足元はかなり不安定になった。
政策も予算も、「数の力」で押し切れない可能性が出てきた。

市場が最も嫌うのは「不透明さ」


サナエノミクスの特徴は、アベノミクスを引き継いだ拡張的政策。
金融緩和・財政出動・成長投資で景気を押し上げる――その方向性自体は悪くない。
ただ、こうした政策は政治の安定があって初めて実行できる。

今のように政権が揺らげば、
補正予算も遅れ、企業も動きにくくなる。
その結果、株価も為替も“期待だけで上がっていた部分”が剥がれ落ちる。

コヨーテの見立て:いまは「混迷シナリオ」


今回の公明離脱で、僕の頭の中のシナリオも更新された。

① 代替連立で持ち直す(小康状態)

 維新と国民民主の両方が加われば、数の上では安定。
 ただし実現には時間がかかるし、政策調整は相当の苦労を伴う。
 一時的な反発はあっても、長続きは難しいだろう。

② 連立難航・政策停滞(現実的な本線)

 維新も国民もすぐには乗れない。
 法案は進まず、予算審議も遅れる。
 市場は“期待剥落”で調整へ。株価の上値は重く、為替は円高方向に揺れやすい。
 いま僕は、この②をメインシナリオとして見ている。

③ 機能不全・政局混乱(最悪ケース)

 どの党とも折り合わず、解散・総選挙に発展。
 政策は完全にストップし、株価急落・円急騰。
 この場合は、一時的にリスクオフの流れが強まりそうだ。

投資家のスタンス


今は「守り」と「準備」の時間
• 現金ポジションを厚く。 いまは“動かない勇気”が必要な局面。
• 過熱セクターの整理。 AI、防衛、生成系テーマは一度利確してもいい頃。
• 為替のボラティリティに備える。 円高リスクを頭に置いておく。
• 下げ局面を“観察”して拾う。 焦らず、確信を持てる材料を待つ。

短期での戻り狙いよりも、
「次の安定局面で何を買うか」を考えておく方が現実的だ。

結びに


サナエノミクスが打ち上がって、まだ数日。
それなのに、もう政権が試されるとは――。

期待だけで上がる相場は、こうして現実に引き戻される。
けれど、僕はそれを悲観的に見てはいない。
熱狂が冷めたあとにこそ、本物のチャンスが生まれる。

今は焦らず、静かに構えておく。
冷や水のあとに残る“湯気”を見逃さないように。



※本稿は、あくまでコヨーテ個人の見立て・推測に基づくものです。
投資判断はご自身で。

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