
9月23日はブルース・スプリングスティーン、通称 “Boss” の誕生日。76歳になっても現役バリバリでツアーを回るロックンローラーです。
私がスプリングスティーンを聴き始めたのは、渋谷陽一のラジオ番組の影響。正直、あの熱量全開の演出は下手するとわざとらしく感じてしまいそうな危うさがあります。でも彼はそうならない。生き様、音楽への向き合い方、そして圧倒的な歌と演奏のパワーが、そのまま楽曲の説得力になるからです。
名盤とおすすめ曲
ベタですが、やっぱりこれを外せません。
- Born to Run – 若者の焦燥と疾走感を詰め込んだ70年代ロックの金字塔。「Thunder Road」のイントロを聴くだけで胸が熱くなる。
- The River – 明るい曲調と現実の苦さが同居する二枚組。「Hungry Heart」はコヨーテの永遠のテーマソング。
- Born in the U.S.A. – 誤解されまくった愛国歌(じゃない)。権力者が利用しようとしたことに本人が激怒したエピソードは痛快。
- Tunnel of Love – 内省的で静かな名作。「Brilliant Disguise」で歌われる大人の愛と不安が胸に刺さる。
クレランスとの名コンビ
スプリングスティーンといえば、サックス奏者クレランス・クレモンズとのコンビなしでは語れません。ステージで二人が背中合わせになる瞬間は、ロック史に残る絵面。クレランスが亡くなったとき、ブルースが涙ながらに弔辞を読んだ映像は今見ても泣けます。E Street Bandはただのバンドではなく、家族なんです。
1985年・大阪城ホールの衝撃
私が実際に体験したのは1985年、大阪城ホールでの来日公演。一曲目の「Born in the U.S.A.」からいきなり総立ち。会場が地鳴りのように揺れました。
3時間ノンストップで繰り広げられるステージは圧巻。アンコールではロックンロール・メドレーが始まり、会場のライトがついて明るくなっても誰も座らず、最後まで踊りっぱなし。汗だくで、でも終わってほしくないと思ったライブは、あれが初めてでした。
コヨーテ的まとめ
スプリングスティーンはただのロックスターではなく、自分の街、自分の時代、自分の仲間の声を代弁してきた人。わざとらしさすれすれの情熱を、本物に変えてしまう稀有なアーティストです。76歳になっても、あの汗だくのライブを続ける姿にロックの矜持を見ます。生き方までがロックンロール。

