JEPI、JEPQは日本株ETFではありません〜米国ETFの沼にハマってみた その2〜


さっそく、沼に片足を滑らせてしまった。
前回は9つの米国ETFを紹介したが、さらに調べていると「これを見逃す手はない!」という新進気鋭ETFに出会ってしまった。
それが、JPモルガンが運用する JEPI と JEPQ だ。

JEPIとJEPQとは?

• JEPI(JPMorgan Equity Premium Income ETF)


米国大型株中心に投資しつつ、カバードコール戦略(注)を組み合わせて高い分配金を目指すETF。

• JEPQ(JPMorgan Nasdaq Equity Premium Income ETF)


JEPIのNASDAQ版。ハイテク系成長株を軸に、同じくオプション活用でプレミアム収入を狙う仕組み。
どちらも「配当利回りが高い」「下落相場に強い」という噂があり、日本の証券会社でも徐々に買えるようになってきた。

ここが“刺さる”メリット

• 驚異的な分配金水準


JEPIは年利7〜10%前後、JEPQはさらに10%超!毎月の“おこづかい感”がクセになる。

• 下落耐性あり


トランプショックやコロナショックでも、S&P500やNASDAQより“傷が浅く”済んだ実績あり。

• 定期収入の安心


まるで“ETF年金”のように、毎月コツコツ分配金が振り込まれる幸福──心の安定剤。

ここは“覚悟”したいデメリット

• 上昇相場では取り残される


爆上げ局面では、カバードコール戦略(注)の壁にぶつかり“成長益”を取り逃す可能性も。

• 分配金は“タダ”じゃない


高利回りのウラには「将来の成長を前借りしている」一面も。キャピタルゲインには目を瞑る覚悟。

• 仕組みが複雑


株+オプションの“合体技”なので、王道インデックスETFよりも理解にひと工夫が必要。

「リスク低・リターン高」ってホント?

魔法みたいな商品──では、ない。

JEPI/JEPQは「株の成長+オプション収入」をミックスし、リスクを抑えて“高配当”を実現する狙いがあるものの、万能ではない。
• 暴落時 → 下げ幅はある程度ガード(守りの盾)。
• 緩やかな上昇時 → 配当+株価上昇の“合わせ技”で着実に利益。
• 爆上げ時 → 配当はあるが、キャピタルゲインは削られる(惜しい…)。
つまり、「安定した高配当」を求める人にはピッタリ。
“株価が大きく成長する瞬間を全部取りたい!”という人にはちょっと物足りないETFかも。

定年間近コヨーテの結論

「攻めの若者ETF」じゃない、「守りの中高年ETF」。

配当収入をしっかり貯めながら、値下がりリスクもほどよくガード──
定年前の自分には、これもかなりイケてる選択肢と感じる。
結局のところ、JEPIやJEPQは“リスク低・リターン高”の夢商品じゃなく、
**「リスク低・リターンそこそこ、でも配当たっぷり」**の“味わい深いETF”。
成長を追うか、安定を掴むか──米国ETFの沼は、やっぱり底なしだ。

(注)
JEPIやJEPQは「カバードコール戦略」という特殊な方法を使います。
これは、ETFが実際に株式を持ちながら、それを一定の価格(権利行使価格)で買う権利=「コールオプション」を売ることで、その代金(=プレミアム)を受け取る仕組みです。
• つまり、“株価がある範囲内なら” オプションが行使されず、ETF側はプレミアム収入だけをゲットできる
• 逆に、“株価が大きく上がった場合” はその上昇分を放棄する代わりに、プレミアムで安定収入を得る(キャピタルゲインが限定される)
このプレミアム(オプション収入)が、JEPI・JEPQの高配当の大きな源泉になっています。

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