
6/7はプリンスの誕生日
80年代のブラックミュージックのキングといえばマイケル・ジャクソン。でも陰のキングは間違いなくプリンスだと思う。
もともとコヨーテは王道中の王道があまり得意ではない。永遠の二番手だったり、どこか陰を引きずっていたり、問題を抱えていたり。そんなアーティストに惹かれてしまう。(ビートルズは別です・・)
プリンスはまさにその典型だった。
ただし最盛期の彼は、そんな「ひねくれた魅力」なんて言葉では片付けられない。完全に神がかっていた。
それまでR&Bやソウルをほとんど聴いてこなかったコヨーテにとって、プリンスはブラックミュージックの扉を開いてくれた存在だった。ファンク、ソウル、ロック、ポップスを自在に行き来しながら、ギターを弾きまくり、歌いまくり、踊りまくる。しかもほとんどの楽器を自分で演奏してしまう。
こんな人は後にも先にも見たことがない。
一方で、天才はやっぱり天才だった。
90年代になると所属レーベルとの対立が深刻化し、自分の名前を捨てて例の「ラブ・シンボル」に改名。頬に「SLAVE」と書いて現れたり、アルバムを乱発したりと、だんだん音楽そのものより騒動の方が話題になってしまった。
もちろん事情を知れば彼にも言い分はある。作品の権利を巡る戦いだったのだから。
それでも80年代後半の勢いが失われていったのは事実だろう。
とはいえ、その後も時折とんでもない傑作を作ってしまうのがプリンスという人だった。
今日はそんなプリンスのアルバムを6枚紹介したい。
【1999(1982年)】
プリンスが世界征服に向けて動き始めた最初の傑作。
タイトル曲、Little Red Corvette、Deliriousなど名曲だらけだが、このアルバムで既にプリンス流ファンク・ロック・ポップスの基本形が完成している。
おすすめ曲
・1999
・Little Red Corvette
・Delirious
【Purple Rain(1984年)】
説明不要の代表作。
映画のサウンドトラックという枠を超えた80年代最高峰のアルバムのひとつだと思う。
When Doves Cry、Let’s Go Crazyも凄いが、ラストのPurple Rainは何度聴いても鳥肌が立つ。
そして忘れてはいけないのがギター。
派手なイメージに隠れがちだが、プリンスはロック史に残るギタリストでもあった。
おすすめ曲
・Let’s Go Crazy
・When Doves Cry
・Purple Rain
【Around The World In A Day(1985年)】
Purple Rainの続編を期待した人たちを盛大に裏切った問題作。
実はコヨーテはこれが一番好き。
サイケデリック色が強く、ビートルズや60年代ポップスへの愛情があふれている。
商業的成功よりも「次へ進みたい」という意志が見えるところが実にプリンスらしい。
おすすめ曲
・Raspberry Beret
・Pop Life
・Paisley Park
【Parade(1986年)】
個人的にはこれもかなり好きな一枚。
全体に漂うヨーロッパ映画のような気品と変態性のバランスが絶妙だ。
Kissはもちろん名曲だが、コヨーテはMountainかな。アルバム全体で聴くとさらに魅力が伝わる。
おすすめ曲
・Kiss
・Girls & Boys
・Mountain
【Sign O’ The Times(1987年)】
ファンク、ソウル、ロック、ゴスペル、ポップスが渾然一体となった二枚組で、まるで天才の頭の中をそのまま覗いているような作品だ。
曲ごとの完成度も異常なレベルで、創造力が頂点に達していたことがわかる。
おすすめ曲
・Sign O’ The Times
・If I Was Your Girlfriend
・U Got The Look
【3121(2006年)】
60歳近いプリンスが作ったとは思えないほど若々しく、セクシーで、ファンキーな一枚。
後期作品の中では完成度が非常に高く、全米1位も獲得した。
80年代の爆発力こそないものの、円熟した職人技と遊び心が見事に共存している。
「まだまだ現役だぞ」と言わんばかりの充実作だ。
おすすめ曲
・3121
・Black Sweat
・Fury
マイケル・ジャクソンが太陽だとしたら、プリンスは月だった。
どちらが上かではない。
ただコヨーテは昔から、まぶしい太陽よりも少し影を抱えた月の方に惹かれてしまう。
だから今でも80年代を代表するアーティストを一人選べと言われたら、たぶん迷わずプリンスの名前を挙げると思う。
