
はじめまして、カート・ヴァイル
愛読しているクリエイターのBobby Blackさんのnoteで知ったのが、カート・ヴァイルというアーティストだ。
なんでも影響を受けたミュージシャンとして、ニール・ヤング、トム・ペティ、ブルース・スプリングスティーン、ダイナソーJr.、そしてルー・リードの名前を挙げているらしい。
そんな名前を並べられて、「じゃあ聴かなくていいや」となる音楽好きは少ないだろう。少なくともコヨーテには無理だった。
正直、最初はそこまで期待していなかった。実際に聴いてみると、これがなかなか心地いい。
過去の遺産を今の音楽に変える力
聴いていて思ったのは、「まるでコヨーテのLibraryをランダム再生しているみたいだな」ということだった。
もちろん影響を受けたアーティストの面影は見える。しかし単なる焼き直しではない。
昔から好きだった音楽の匂いがするのに、ちゃんと今の音楽として鳴っている。
派手なギミックもなければ、大スターのような押し出しの強さもない。それなのに気がつくと何度も再生している。
だからこそ、こういう出会いは案外少ない。
1. Pretty Pimpin
今回はそんなカート・ヴァイルの音楽の中から、コヨーテが特に気に入った8曲を紹介したい。
(『b’lieve i’m goin down…』)
まずは代表曲。
軽快なギターと肩の力が抜けたボーカルが実に気持ちいい。
初めて聴いた時は何気なく流していたのだが、気がつくと何度も再生していた。派手な曲ではないのに妙に耳に残る。
だからこそ、カート・ヴァイル入門ならまずはここから。
(『Bottle It In』)
2. Loading Zones
個人的にはかなりお気に入り。
しかし、どことなくトム・ペティを思わせる親しみやすさがある。
肩肘張らずに聴けるのに、ちゃんと良い曲。散歩にもドライブにもよく似合う。
3. Wakin on a Pretty Day
(『Wakin on a Pretty Daze』)
10分近い長尺曲だが、不思議なくらい長さを感じない。
ゆったり流れていくギターを聴いているだけで気持ちがいい。
派手な展開はない。でも最後まで聴いてしまう。
ニール・ヤング好きならきっと反応するはずだ。
4. Baby’s Arms
(『Smoke Ring for My Halo』)
初期の代表曲のひとつ。
フォークやカントリーの香りをまとった、穏やかで美しいメロディが印象的だ。
派手さはない。それでも、この肩の力の抜けた歌声を聴いていると、不思議と心が落ち着く。
ソングライターとしての魅力がよく表れた一曲。
5. Girl Called Alex
(『b’lieve i’m goin down…』)
少し内省的な雰囲気を持った一曲。
しかし、派手さはないが、じわじわ染み込んでくる。
夜にひとりで聴くと、この人のソングライターとしての良さがよくわかる。
6. Bassackwards
(『Bottle It In』)
こちらも長尺曲。
こういう曲は普通なら退屈になりそうな展開なのに、なぜか耳が離れない。
「何もしないことの格好良さ」を知っている人の音楽だと思う。
こういう曲が成立するところに、カート・ヴァイルの独特な魅力がある。
7. Zoom 97
(『Philadelphia’s Been Good to Me』)
最新アルバムのオープニングを飾る一曲。
イントロが流れた瞬間、「ああ、カート・ヴァイルだ」と思わせてくれる安心感がある。
新作を聴くなら、まずはここから。
8. Chance to Bleed
(『Philadelphia’s Been Good to Me』)
最新アルバムからもう一曲。
肩の力が抜けた歌とギターは相変わらずだが、それがむしろ心地いい。
長いキャリアを重ねても、自分のスタイルを変えずに前へ進んでいる。そんなカート・ヴァイルらしさが伝わってくる。
おわりに
もちろん、最近は新しい音楽を探すこと自体が少なくなった。
それでも時々、「ああ、これは好きだな」と素直に思えるアーティストに出会う。
つまり、カート・ヴァイルはそんな存在だった。
特に、ニール・ヤングやトム・ペティが好きな人なら、一度聴いてみてほしい。
実際、少なくともコヨーテのLibraryでは、当分「リピート再生」になりそうだ。

